「部下への期待」を難しく考える必要はありません:今井洋一氏 #5

こんにちは。社会保険労務士法人アイプラスの代表社員の今井洋一です。
今回も働き方についてお話をしていきたいと思います。今回は「部下への期待」について考えてみましょう。

部下への期待?「がんばれ」以外に思いつかない

当社に寄せられる労務相談の中には「社員のパフォーマンスが悪いので、給料を下げたい。」という内容があります。しかし、具体的に何が問題なのか客観的な事実がなければ、給料を下げることはできません。社長さんにお話を聞いても、「どうも、ぱっとしない。」といった具合に、具体的に何が問題なのか曖昧なことがしばしばあります。

「上司は部下に何を期待しているのか具体的に伝えましょう。」と言われますが、忙しい社長さんであれば「頑張ってくれさえいれば、それでいい。」と思うでしょうし、気持ちを伝えることが得意でない社長さんであれば、「何を伝えればいいのか言葉にできない。」など困ってしまうのではないでしょうか?

お小言は期待の裏返し

「部下の良い点を把握し、期待したいことを伝える。」ことはエネルギーが要ります。

もちろん、人の良いところを見つけることが上手な方もいますが、普通の人であれば、良いところを見つけるよりも、悪いところが見えてしまい、小言や愚痴が出てきがちです。
たとえば、「ベテランなのに、自分の仕事ばかりしているのはどうかと思う。」とか「新人なのに、お客様への挨拶も元気にできないのは困ったものだ。」といった具合に、部下への小言であれば、いくらでも言えるのではないでしょうか?

しかし、「お小言」は何もせずとも出てくるものではありません。部下の働きぶりが、あなたの期待を裏切るので「お小言」が出てくるのです。つまり、あなたは無意識のうちに、部下に何かを期待していると考えられませんか?ということは、小言の理由を裏返すと、それは、部下に対する期待になりそうではありませんか?
先ほどの小言を、裏返して表現してみたらどうでしょう?

「ベテランなんだから、自分の仕事ばかりしているのはどうかと思う。」は、「先輩社員として後輩に仕事を教える時間を増やして欲しい。」や「自分が直接仕事をするのではなく、後輩に仕事を任せるようにして欲しい。」となり、「新人なのに、お客様への挨拶も元気にできないのは困ったものだ。」は「新人なので、挨拶だけは元気にして欲しい。」といったように、肯定的な表現に変えるだけで、具体的な期待に置き換えることができます。

本当に半期評価・年次評価は必要ですか?

人事評価は半年から1年に1回行われていることが多いと思いますが、そもそも、人事評価は何のために行うのでしょうか?評価をする目的は2つあります。
1つは賞与支給額や、昇格させる者を決めるための「査定」。もう1つは、一人ひとりの仕事の振り返りと、挑戦や成長を話し合う「育成」のために行われます。
人事制度が緻密に作りこまれており、評価結果と賞与や昇格とが厳密に接続されていたら、半期・年次の人事評価は必要かもしれません。しかし、中小企業では社長や幹部社員の話し合いで賞与や昇格が決まっているケースも少なくないと思います。
評価の結果が賞与や昇格と厳密に接続していないのであれば、「査定」のための半期・年次での評価を行うことはやめて、月に1回、できれば週に1回、10分で構わないので「振り返り」と「次回までの目標」を決める機会を設けてはいかがでしょうか?

難しく考えるのではなく「前回の面談から今日まで振り返ってどうだった?」「次の面談までに何を頑張ってみたい?」。そして、先ほどのお小言を期待の言葉に置換して「上司の私としては、あなたに○○して欲しいな」と伝えましょう。
短い頻度で振り返ることで、部下との距離感も縮まりますし、部下自身の仕事に対する意気込みも高くなります。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?


※ラボネットワークメールマガジン2019年6月号の記事を再掲

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