「3K職場」で働くサンタクロース:今井洋一氏 #6

こんにちは。社会保険労務士法人アイプラスの代表社員の今井洋一です。
今回は「私たちは何のために写真館をしているのか?」について考えてみましょう。

サンタの仕事は、過酷で危険なブラック企業なのか?

経営者であれば「求人を出しても応募が無い。」といったお悩みの方も少なくないと思います。しかし一方で、入社希望者が殺到する中小企業があることも事実です。求職者から選ばれる会社であることは、業種も給料も関係ありません。

「真冬の夜勤、高所作業もあり、再配達も許されない運送業」と聞くと、過酷な職場と思うかもしれません。しかし、「クリスマスに子供にプレゼントを配るサンタクロースの仕事」と聞くと、受け取り方が少し変わってきませんか?どうしてサンタクロースの仕事は過酷な職場環境にも関わらず素晴らしい仕事と思えるのでしょうか?

あなたのお店は、何のために存在しているのですか?

人は待遇以外にも働く意味や働き甲斐を求めています。冒頭のサンタクロースは、単におもちゃを配っているのではなく「子共に夢を与える」ことが理念や使命があり、真冬にその使命を実践しているから、みんなから愛され尊敬される存在であり続けるのです。

採用難の時代では、会社が働く人を選ぶ時代ではなく働く人が会社を選ぶ時代です。ただ「写真の仕事」というだけではなく、「他の写真館と何が違うのか?」「写真館の仕事を通じて、何を提供し何を実現していくのか?」といった会社が目指す姿である理念や使命を明らかにし、スタッフはもちろんのこと、お客様やこれから働いてくれる求職者にも伝えなければ、誰も振り向いてくれない世の中になりつつあります。

経歴が立派、実績があるという理由で採用をしたくなりますが、会社の価値観と応募者の価値観が合致しているかで採用しなければ、長く働いてくれることは難しいでしょうし、価値観の不一致がトラブルの原因にもなりかねません。

理念や使命は、会社のサービスの姿勢や歴史からにじみ出ている

「お客様のために」「生活のため」は他のライバルも同じように思っています。理念や使命と言われても、急に言葉が出てくるものではありませんが、製品・サービスを観察すると、その企業の理念や使命を垣間見ることはできます。例えば、プッチンプリンは、プリンをお皿に移し替えるときのプリンのコミカルな動きを提供していることから、「親子での楽しい体験の提供」に価値を置いていることが読み取れますし、シャネルは創業者のココシャネルの苦労と挑戦の連続の人生と、商品の価格帯から、苦労し成功を掴んだ女性の「頑張った自分へのご褒美」といったことに価値を置いていることが読み取れます。

同じように、みなさんの企業のサービスにも理念や使命がにじみ出ているはずです。皆さんの企業は写真という仕事を通じて、どのような価値を提供したいのでしょう?
また、これまでの歩みの中で多くの危機や、大きな決断を迫られた時に、どのような価値観をもとに判断をしてきたのでしょうか?長い期間、企業として存続しているということは、一貫した価値観が存在しているものです。
いちど、スタッフ全員で、私たちは何のために写真館で仕事をしているのか話し合ってみてはいかがでしょうか?

理念・使命が定まった企業は強くなれる

理念や使命を作っても売上が上がることはありません。しかし、理念・使命に基づいた価値観が共有できていれば、仕事の受注の仕方にも一貫性が出てきます。
仮に、理念や使命にそぐわない理不尽な仕事や安価な仕事が舞い込んできた場合に、要望に対して、「私たちの価値を提供できるのか?私たちの使命を果たすことができるのか?」を判断する根拠となり、不当な要求に怯えることもなくなります。そうした会社の姿勢が明確になればなるほど、スタッフに誇りを持って働いてもらえるようになりますし、理念に惚れ込んで入社を希望してくる方が出てきます。経営資源が限られる中小企業こそ、自分たちの理念や使命をハッキリとさせることが生き残りのカギとなりえます。


※ラボネットワークメールマガジン2019年7月号の記事を再掲

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