――前回は「写真館が集客で気をつけるべきこと」というテーマで、スタジオルミナスでは分かりやすい料金設定を大切にしているというお話でした。
そして、今回はおそらく多くの写真館の方が頭を悩ませているであろう「スタッフの教育」についておうかがいしていきたいと思います。
スタジオルミナスはお台場、銀座の都内店にくわえ、名古屋にもオープンされましたよね。ゲストハウス撮影のルミナス ラ・メゾンもありますし、スタッフの教育は大変なのではないでしょうか。なにかコツなどはありますか?
皆様にお教えできるほど、成熟しているわけでもないのですが…。
まだまだ考えながら、スタッフと一緒に成長している過程ではありますが、一貫して大切にしていることがあります。それは「マナー」です。実施されている写真館も多くいらっしゃるかもしれませんが、外部の講師の方を招いて、マナー研修などもおこなっています。それがルミナスのスタッフ教育のポイントといえるかもしれません。
――InstagramなどのSNSを見ると、写真の満足度もさることながら、「ルミナスでスタッフさんにすごくよくしてもらった!」や「緊張したけど、スタッフさんの対応がよくて安心して撮影できた」というユーザーの感想を目にすることが多いです。こういったクチコミはマナー教育も大きく影響しているのではないでしょうか。
そういった投稿を見ると、とても嬉しく思います。
ルミナスは撮影スタジオですが、考え方としては「花嫁体験」を売っているんです。もちろん、撮影後に仕上がったモノは「フォトアルバム」ではありますが、実は「花嫁として過ごした時間」という体験こそがスタジオルミナスの商品だと思っています。だから、花嫁が体験するであろう結婚式場の接客レベルを常に意識していて、マナー教育に特に力を入れているわけです。
――写真を撮りに来たつもりが、花嫁のような体験ができるというのは、女性はきっと喜びますよね。
私達はまさにそれを大切にしています。「スタジオのカメラマンがどんな写真を撮りたいか」ということよりも、来店されてからお帰りになるまで、今日一日、楽しく過ごしていただけるように、結婚式よりも結婚式らしく花嫁として扱うことを心がけています。
ーーでは、ルミナスには、その花嫁体験を提供するための接客マニュアルがあるのでしょうか?
いいえ、実は体系立てたマニュアルはありません。とにかく冒頭にお話したマナーを大切にしています。
以前のインタビューでお話したとおり、ルミナスのオペレーションはすべてがシンプルですので、そこまでカッチリとしたマニュアルは必要ないのかもしれません。
というのも、コース内容や価格設定などが非常にシンプルなので、お客様に「いろいろと選んでいただく」事項があまりありません。アルバムのサイズも基本的にはページ数固定のA3ヨコのみのワンサイズ展開ですし、衣装によって追加料金がかかることもありません。「アルバムのサイズはどうしよう?ページ数は?追加料金があるなら、衣装はどうする?」と、あまりにも悩まなければいけないこと、選択しなければならないことが多いと、お客様も疲れ果ててしまうのではないでしょうか。それによって、撮影体験を楽しんでいただけないのは、非常にもったいないことです。また、選択事項が多いと、そのぶんマニュアルも増えてしまい、スタッフの負担も増えてしまいます。マナーさえしっかりしていれば、マニュアルがなくても十分お客様にご満足いただける接客ができると考えています。
ーー「行き届いたマナー教育」と「シンプルなオペレーション」が満足度の高い花嫁体験を実現しているということですね。
そういえるのではないかと思います。繰り返しになりますが、もちろん「ルミナスの写真よかった!キレイに撮れた!」も嬉しい感想ですが、「ルミナスの撮影楽しかった!気持ちよく過ごせた!」とお客様に感じていただくことを大事にしています。
そして、お客様ご自身の生の声として「すごくよかったから、みんなもルミナスに行ってみて!」と発信していただけたら、尚嬉しいですね。
※ラボネットワークメールマガジン2020年12月号の記事を再掲