コロナ禍を乗り越えるために:青木 水理氏 #3

前回のメルマガからまた1か月経ち、新型コロナウイルスの影響はさらに悪化しています。
緊急事態宣言が出され、お店を閉めた方、撮影を中止された方、全面テレワークに切り替えた方は多いと思います。
今まで「緊急事態宣言・政府から要請が出ない限りは」お店を開けるとしていた方も、今回ばかりは苦渋の決断で閉めたのではないでしょうか。

弊社が運営する東京のフォトスタジオも、妊婦さんや赤ちゃん専門のスタジオのため、3月は一斉休校のタイミングで1週間、自粛要請を受けた3/26から無期限休業に入っています。
弊社はスタッフがほとんどが子供がおりますので、少し早めの自粛体勢に入りました。私も12歳、7歳、1歳の3人の子供と一緒に、ほとんど家から出ず仕事をしています。

緊急事態宣言から、日本は確実に「全国民で命を守る」フェーズに変わりました。
それでもお店によっては「国民全体で早くウイルスを終息させて経済を早く復活させよう」「とにかく感染を抑えるために徹底的に自粛しよう」という、日本が一致団結しないといけない場面にもかかわらず、政府の対応が後手後手で、経営破綻でコロナより先に死んでしまう可能性がある以上お店を開け続けなければいけないという状況があるかと思います。

ただ、明日を継続させるために無理をしてお店を開け続けてもし感染者が出た時にはその時点でお店自体が飛ぶ可能性があるので、完全にハイリスクの博打営業になる可能性があります。
緊急事態宣言が出されていても営業を続けられるのは、超大手か、根強いファンがいて宣伝を打たなくても撮影ができるお店くらいでしょうか。
スタッフが多くいるお店はスタッフの不信感も募ります。
コロナが収束した後、経営を続けていくためには、先を見ての経営判断が求められているのです。

いま、お店の経営者に求められていることは、徹底的な相手目線です。

・外部、内部の不信感を作らない
・マスメディアの情報に振り回されすぎないようにしつつ、世間の空気感はみておく
・ターゲットとしているお客さまの今の状況や心境を把握した戦略を打つ

私が保守的な考えなのには、赤ちゃんの撮影をしているからというのがとても大きいです。
ママフォトグラファーさんや、ママをお客さまとしているお店の方は存分にご理解いただけるかと思います。
近年ブームのニューボーンフォトはただでさえハイリスク撮影なのでしばらくは大々的な宣伝は難しいでしょう。
私が⾧くいるベビー業界は特に公益性が重要で飲食店でOK だった
「買って応援」「お店に行って経済を回そう」「お客さまのためにと銘打ってお店で行うイベント系」はコロナ騒動が始まった初期から軒並み叩かれやすい傾向にありました。
(やるなら無償に近いものじゃないと厳しく、クラファンもたぶん厳しいです。子供がいる消費者は買い控えが始まり守りの体制に入ります。ただし産後うつ、DV、保育などの緊急性を要するもの以外は別です)

そして、産後のママは有事でなくても常に「赤ちゃんの命を守る」方に完全にベクトルが向いているので、とにかく危険に晒すわけにはいきませんから、お店都合の開店やキャンペーンは今後のお客さまとの信頼関係に強く影響します。

フォトスタジオは世間的に見ると悲しいながら不要不急であり、それでも家賃が払えないからとイベントやキャンペーンをうって無理やりお店を開け続けたら「子供の命より自分の経営が大事なのか」という非難を浴びるのは目に見えています。
(実際お客さまからそう言われているお店を最近ちらほら見るようになりました)

とはいえ、家族写真は全く不要不急ではありません。
それだけは絶対に業界の理念として持ち続けていたいところです。
写真によって救われる方はたくさんいます。
あり方を捨てるのではなく、やり方を変えていく事に全力を尽くします。
今は、ただただひたすらママに共感、ママに寄り添う戦略でないとコロナ収束後に生き残れないと感じています。

弊社は早々にお店を閉めましたが早くお店を閉めることのメリットは、経営リスクを負う代わりにもちろんお客さまとスタッフの命を守ることが一番にできますが風評被害リスク(万が一どこかのスタジオで感染者が出てもうちが早々に閉めていたらその渦には巻き込まれにくい)からも守ることができますし経営理念を貫き通す姿勢を行動で見せることで《お客さまの信頼を壊さない》という一種のブランディングができるチャンスでもあります。

弊社も、いまは家にいて出来る

・写真の撮り方
・衣装レンタル
・写真合成サービス
・ギフト券の販売

など、新たな活路を見出し、またお客さまとのコミュニケーションを絶やさず、何とか信頼と関係性を継続させながらギリギリ生きながらえていきたいと思います。

家族の思い出を作る。
大事な瞬間を写真に残す。
それは、命あってのことです。
それは、行動で示さないと偽善になってしまいます。
経済ダメージは本当に本当につらいところですが…

この業界を守るためにも、皆で乗り越えていきたいですね。


※ラボネットワークメールマガジン2020年4月号の記事を再掲

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