今とこれからの写真館経営:井口章氏 #1

はじめまして、船井総合研究所の井口と申します。

「今とこれからの写真館経営」という大テーマをもとに、写真館経営に関わることをお伝え出来ればと思います。


さて、今回は、第一回目ということで、写真館業界の「時流変化」と変化する時流への「時流適応」についてお伝え致します。

まず、簡単に過去の時流を振り返り、今につなげます。写真館業界の時流変化は、ファッションの時流変化に近い動きをしていると考えられ、エレガンスとカジュアルが6年周期で変わります。

2002年から見ていくと、2002年~2007年の6年間はエレガンスの時流で、この時期には、レースの飾り付けが目新しかった七五三ブランド衣裳のブームの時期になります。2008年~2013年の6年間はカジュアルの時流で、立体背景、定常光、1日組数限定、貸切、データ販売、着物よりカジュアル服、というような写真館が都市部を中心に多数増えた時期です。2014年~2019年、まさに今ですが、エレガンスの時流になります。カジュアルの時流に流行った写真館が、進化し、抽象的な表現にはなりますがカジュアルなイメージから撮影小物もハイグレードな雰囲気を出す物に変化してきました。また、この時期の特徴は、専門店化が進んだことです。例えば、ベビー・マタニティ専門スタジオです。

6年毎にエレガンスとカジュアルを繰り返していますが、6年間の内、最初の2年は先駆者的な方々がその時流の取り組みを始め、真ん中の2年は、その時流のテイストが全国的に広まる時期、最後の2年は、業界全体が同質化する時期になります。今は、2014年に始まったエレガンスの時流の最後の2年になります。過去4年間に流行ってきたテイストが、どこも同じようになっているように感じられることはないでしょうか。このような現象をコモディティ化するとも言います。


ところで、6年間の最後の2年間は、次の時流の予兆が出てくる時期になります。2018年、2019年が、その2年に当たります。2020年からは、カジュアルの時流に再び振れます。そのカジュアルの時流の予兆が出始めている時期なのです。

今、私が認識している予兆は、大きく二つ。

一つは、「くつろぐ」カジュアルです。お客様は、ご家族の大切な記念日を過ごすことを目的に写真館を利用されるようになりました。このようなお客様への対応力を上げるためにスタジオの造作以上に注力する場所として待合いスペースなどお客様ご家族が過ごす場所を大切にするような写真館が出てきています。

もう一つは、「格式ばらない」カジュアルです。フリーカメラマンの方々が、ウェディングだけではなく、神社ロケなど子供記念日の撮影をしているという話を聞かれませんか。フリーカメラマンとお客様をつなげるWEBサイトが複数出来ています。そして、そのWEBサイトからお客様が家族の記念日の写真を撮ってくれるカメラマンを探し利用しているのです。ご祈祷、お参りという行事はしますが、写真自体は、わざわざ写真館ではなく、お参りに行く神社でスナップ風に撮ってもらう、まさに「格式ばらない」スタイルではないでしょうか。


このような「時流変化」は常に起きますし、避けて通れません。そのために「時流適応」することが大切になります。例えば、「くつろぐ」ために平日だけは貸切スタイルにする、店内レイアウトを見直す、「格式ばらない」時流のために力相応に出来る範囲でロケに取り組む、平日限定・組数限定で良いので神社お参りスナップ撮影を始めるなどです。

船井総研のご支援先様では具体的にどうしているのか「時流適応」の事例の詳細は次回でお伝えいたします。


※ラボネットワークメールマガジン2018年8月号の記事を再掲

メルマガ登録

LABlogの更新情報・フォトビジネスの最新情報をイチ早く、メルマガでお届けします!

無料メルマガ登録

>あなたのフォトビジネスを全力サポート!

あなたのフォトビジネスを全力サポート!

私たちラボネットワークは日本随一の写真現像ラボです。プリント製品に留まらず、写真館からブライダル、スクールフォトなど、各種フォトビジネスに関わる製品やサービス、ITソリューションをワンストップでご提供しています。皆さまのフォトビジネスで直面する課題を様々な角度からお手伝いさせていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。

CTR IMG