-新しい出版のカタチ- 10部からつくれる書籍印刷サービスのご紹介#2

今回は、弊社サービスにて制作可能な仕様と、入稿データの注意点、作成時のポイントについてご説明します。

制作可能な仕様について

 まず製本に関しては、並製/上製どちらでも制作ができます。判型は最大A3まで、ページ数は1,000頁程度までは対応しています。印刷色については1C、2C、4Cいずれにも対応しております。

 小ロットでの書籍印刷を提供しているサービスとしては、正直なところ、世間に流通している、ほとんどの書籍の仕様に対応が可能かと思っています。一方で、実際にはコスパの良い、得意としているような仕様パターンがございまして、これまでの受注実績から、弊社の書籍印刷サービスとの相性が良いと思われる例をご紹介いたします。

 

弊社が写真業界に属する印刷会社であることから、フルカラーの写真集や絵本の類が多いと思われるかもしれませんが、実際の書籍受注を整理しますと、モノクロ書籍の制作が多いです。

幅広いオプション対応

 上記でお話した仕様と合わせて、付き物に関しても幅広くメニューをご準備しています。見返し紙/遊び紙の挿入をはじめとし、カバーや帯の提供も可能です。カバーや表紙などに対してのPP加工にも対応しており、種類はグロスとマットの2パターンがございます。

 それぞれのPP加工について特徴をお伝えしますと、まずグロスは表面のつや、光沢感が出るのが特徴です。一方で、マットについてはつやを抑えた高級感のある仕上がりとなりますが、傷がつきやすい側面もございます。返本された本を改装する用のカバーが足りなくなってしまった場合に、カバーのみを印刷した実績もございます。

入稿は、印刷に最適な「PDF/X-1a」

 様々なシーンで活用されているPDF(Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)を、弊社でも入稿データとして採用しています。PDF形式の中でもPDF/X-1aという、印刷用途に特化した規格でのご入稿をお願いしております。

PDF/X-1aの理由

①高い互換性
制作側の環境と出力側の環境を一致させる必要がなく、ほぼ全てのPC環境で、編集された内容を再現できることができます。

②フォント崩れの防止
フォント情報の埋め込み、もしくはアウトライン化が必須になるため、別のフォントへの置換や文字化けを防ぐことができます。

③データ容量の軽減
先のフォント同様で画像データも埋め込みとなります。これによりデータ容量を軽くすることもできるため、入稿時のデータ送信やアップロードの時間短縮にもなります。

 小ロット書籍印刷を、できる限りの低コストで提供していくにあたり、入稿データの取り扱いで生じる作業時間の短縮は不可欠です。弊社では、入稿いただいたデータ確認作業を簡略化すべく、PDFでの「完全データ」入稿をお願いしております。

 ここでいう「完全データ」とは制作・修正の必要がない、そのまま印刷ができるデータのことを指しています。基本的に、文字校正やデータ修正といったことは、弊社では承っておりません。

入稿データ作成時のポイント

①色空間はCMYK。特色には非対応
CMYKは、「C=Cyan(シアン)」「M=Magenta(マゼンタ)」「Y=Yellow(イエロー)」「K=Key Plate(黒)」のそれぞれの頭文字をとってCMYKと呼ばれています。

 オンデマンド印刷ではこの4色 のインクでフルカラーの表現をするため、特色(DICなど) での印刷ができません。その際は、CMYKの4色で近い色を作っていただたデータを印刷することでの、近似値表現となります。

②塗り足しとトンボが必須
意外に忘れがちなのが、塗り足しの考慮です。デザイン上、端の部分まで色や写真が入る場合、塗り足しが無い状態でデータ作成がしてあると、製本時の断裁でほんの僅かなズレが生じただけで、用紙の色(白地)が出てしまいます。

 それを避けるため、仕上がりサイズの外側まで3mm程余分に、色や写真の幅を広げておく必要があります。塗り足しがあれば、断裁で生じる余白が出ることはなくなります。

 また、3mmの塗り足しに加えて、トンボをつけた状態で入稿データのご準備をお願いします。どこが意図された仕上がりの範囲なのかがわからないと、期待通りに書籍をつくることができません。

 入稿データにトンボが無い場合、有償となりますが、センター位置にあわせて製造を進める対応は可能です。ただし、背景が白色(ノンデザイン)の場合に限ることと、塗り足しの考慮がされているかの判断が弊社では難しいため、塗り足し有無の確認で納期が遅くなります。製作後の事故を防ぐため、基本的には再入稿をお願いしております。

③背について
一般書籍の場合、あまり気にしていただく必要はありませんが、例えば並製本で、背表紙にタイトルなどの文字を入れる場合、背表紙の幅は最低で3mm以上を推奨しています。背幅が3mm未満だと文字が読みづらく、印字がわずかに背表紙からずれたりする可能性があります。使用する用紙の厚さ次第にはなりますが、おおよそ60ページ以上で、背幅が3mmを超えます。

④その他

よく問い合わせがある内容を以下に記載します。

・本文のページ数は2ページ刻みで増やすことができます。
・本文のページ数を奇数にすることはできません。偶数でお願いします。
・カラーとモノクロが混在する場合、モノクロ印刷となる部分はデータもK100%(黒)で作成をお願いします。

第3回に続く


・重版をすると、初版で出した利益が無くなってしまう…
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