コマーシャルフォトに憧れていたあの頃:西村 一光氏 #1

初めまして、フォトグラファーの西村一光と申します。

広告やファッション等いわゆるコマーシャルフォトの分野で活動しています。

今回全6回で現在のコマーシャルフォトを初めとしたフォトグラファーを取り巻く環境、そしてスマホの普及、カメラやソフトの高性能化によって誰でもカメラを扱えるこの時代だからこそプロフォトグラファーは何をすべきなのかについて話していきたいと思います。

まずは私がこの業界に携わるようになった経緯について話していきたいと思います。


私のカメラとの出会いは中学2年生の頃。父の仕事の関係で暮らしていたアメリカ、カリフォルニア州から帰国し、慣れない日本の生活で初めて出来た友達が学校の写真部に所属していたことから写真部に入部し、父が結納返しで祖父からもらったもののほとんど使っていなかった新品のようなニコンF2を手にしたことがすべてのきっかけでした。

中学生の自分にとって、レンズを通して世界を見ることができる一眼レフのファインダーの中の世界は本当に刺激的でした。

プロフォトグラファーの門を叩いたのは大学在学中でした。私はコマーシャルフォトグラファーのイメージが強いので意外に思われるかもしれませんが私の最初のキャリアはブライダルスナップで、大学の写真部の先輩がブライダルスナップの契約フォトグラファーをやっていて、それを見て始めたたのがきっかけでした。


ブライダルフォトからはプロフォトグラファーとしての基本を教わりました。

プロに要求されるスキルとは、奇跡の1枚が撮れることではなく、すべての場面において安定してクオリティの高い画が撮れることだというのを学んだことは今でも自分のベースになっています。

僕が所属していたブライダルフォトの会社の社長が都内の有名コマーシャルスタジオの出身で、会社には社長の元同期のフォトグラファーさんがいつも遊びにきていました。タレントさんやグラビアを専門にしている人、商品撮影専門の人、音楽雑誌で活躍している人、大学生だった僕に、みなさん現場のいろんな話をしてくれました。また、そのつながりで現場を見せていただく機会もでてきました。

大学を出たら普通の仕事をしようと思っていた私も、話を聞くうちに商業写真の世界で活躍したいと思うようになりました。

思い立ったらすぐに行動してしまう私は、まず通っていた大学の学内でフリーペーパーを発行している団体に売り込んで、そこのフォトグラファーとして撮影をすることになりました。

フリーペーパー自体は学生で作っているものなのでギャラが出るわけではなかったのですが、フィルム代は出してもらえた上に有名なタレントさんのインタビューや企業の撮影等もあったので、素晴らしい機会でした。


そして次のステップとしてその実績をファイルして雑誌等に営業をかけました。フリーペーパーではあってもタレントさんや企業のタイアップ記事を撮影していたので興味を持ってもらうことが出来て、WWD JAPANというアメリカで発行されているWWD(Women’s Wear Daily )というファッション業界の業界誌の日本版の取材カメラマンの仕事を定期的に頂くようになりました。

WWDの仕事では壮々たる有名ブランドのパーティーを取材したり、世界的なデザイナーさんやモデルさんを撮影させて頂いたり、売れっ子スタイリストさんの現場を取材する等本当に華やかな世界をたくさん見させてもらいました。

通常、コマーシャルフォトの世界ではまずレンタルスタジオのスタジオマンとして修行をして、そこで師匠を見つけて弟子入りして何年か修行して、師匠のコネクションから仕事を分けてもらって、という形が一般的ななので、大学卒業後は一旦スタジオで修行を積もうか迷っていた私でしたが、せっかく出来たコネクションをなくしてしまうのがどうしても嫌で、そのままフリーランスフォトグラファーとして歩むことに決めました。

それほどスタジオライティングの知識もあったわけでもなく、いきなりフォトグラファーとして活動を始めた私はかなりの異端児で、ブライダルフォトグラファー時代に知り合った多くのきちんと修行してきたフォトグラファーの皆さんのほとんど全員に反対されました。

事実、コマーシャルフォトグラファーの世界はとても閉鎖的で、いくら有名な雑誌を撮っていてもインタビューなどの取材の仕事をしているフォトグラファーはずっと取材しかさせてもらえず、表紙やポートレートのような華やかなページは元々そういうのを撮っている師匠の弟子にずっと受け継がれていくという形になっていました。

つまり師匠についていないフォトグラファーは最初の仕事ができないので、ずっとポートレートの仕事ができないということになってしまうのでした。

友人のモデルに頼んで作品撮りをさせてもらって、何社かポートレートページを撮らせてもらえないか営業をかけてみましたが、すべてが門前払いでした。

そこで私は当時まだあまりなかったフォトグラファーを紹介するwebサイトに登録して、自分の作品を見てもらうことにしました。

こちらから売り込んでもなかなか取り合ってもらえないので、逆にネットに載せている作品を気に入ってくれるクライアントを探すほうが効率が良いと考えたからです。

これが上手くいって、当時ブームだった韓流俳優のポートレートを載せている雑誌からいきなりオファーがきました。

来日している俳優さんを撮影するので撮影時間や場所の制約はありますが、今まで撮っていたインタビューとは違い、きちんと1ページデカデカと写真を載せてもらえることにとても興奮したのを憶えています。


仕事が少しステップアップしたことで、ここから技術的な課題がいろいろと出てくるのですが、そこに関してはまた次の回でお話したいと思います。


※ラボネットワークメールマガジン2021年8月号の記事を再掲

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