デジタルカメラに対するユーザー動向

梅のつぼみもほころび始め、
寒さの中にも少しずつ春の足音が近づいていますがいかがお過ごしでしょうか。

今回は、スマートフォンのカメラ機能の進化に伴うデジタルカメラに対するユーザー動向について、取り上げます。

マイボスコム株式会社の11回目となる「デジタルカメラの利用」に関するインターネット調査(2019年10月1日~5日実施)によると、デジタルカメラの所有率は73%と2010年以降減少傾向が続いている。所有者は高年代層で高く、10~20代では5割、60~70代では8割強に上る。所有台数は「1台」が5割弱、「2台」が2割弱となっている。

所有者のうち、コンパクトタイプを持っている人は「コンパクトタイプだけ」「(一眼レフと)両方」を合わせて91.5%。
一眼レフ所有者は「一眼レフだけ」「両方」を合わせて24.6%に上り、過去調査と比べて増加傾向にあるようだ。
また利用者のうち、直近1年以内にデジタルカメラで撮影した人は7割強で、男性の比率が高くなっている。撮影頻度は「年に1回~2回」「2~3カ月に1回」がボリュームゾーンである。

写真業界にとって、気になるのが「デジタルカメラで撮影した写真の保存・利用方法」だ。
「パソコン内のハードデイスクに保存」が50.7%、「撮ったまま」が46.9%、
「自宅のプリンターで印刷する」が25.8%(複数回答)。
過去調査と比べて、「撮ったまま」が増加、「自宅のプリンターで印刷する」は減少傾向にある。

回答者のコメントの中には、「大事な写真や人に撮ってもらう際にはデジタルカメラのほうがいいと考えている」、「写真を印刷するようなときはデジタルカメラで撮る」などがあった。

今回のデータをまとめると、以下のことがわかります。

 ・デジタルカメラの保有率は、スマートフォンの登場で年々減少
 ・デジタルカメラを保有しているユーザーは、一眼レフ(ミラーレスカメラ)を保有しているユーザーが増えている
 ・撮った写真はプリントアウトされにくく、さらに整理されない状態(メディアの高容量化)にある

消費者の撮影環境、写真への価値観、楽しみ方が多様化するなか、写真業界が、ユーザーに与える価値(「家族全員が映る写真」、「子供への愛情を伝える写真」などの潜在ニーズ)をしっかりととらえた上で「カタチ」に残すことが、大きな役割になっていると考察できるデータでした。今後の撮影ビジネスをどのように展開していくか、あらためて考える機会になれば幸いです。

【出典・データ】
スタジオNOW1月号
いま「スタジオ」という「ハコ」を持つ意義~フォトグラファーが手がける新たな空間~
選ばれるフォトグラファーとフォトスタジオになるために(一部抜粋)


※ラボネットワークメールマガジン2020年2月号の記事を再掲

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