新しい仕事を生み出す《思考》: 山下 亮氏 #5

今回はこの連載のテーマとさせていただいた「常に考える。なぜだろう?から仕事は始まる」について書かせていただこうと思います。

この言葉は弊社のスローガンでもあり「なぜだろう?から仕事は始まる」は、あの宅急便を日本で初めて定着させたクロネコヤマト社長、小倉昌男さんの著者にある言葉になります。


クロネコヤマトは大正12年に銀座三越の下請け配送業者として発展しますが、高度成長期に他社との競争に出遅れ存続の危機に陥りました。

その時に二代目の社長に就任した小倉昌男さんがNYで見た光景をヒントに宅急便のサービスを思い付きました。

NYの交差点の四隅に同じ業者のトラックが止まっているのを見て「小さなエリアに一台づつトラックを配置しそのエリアを隈なく対応すれば各家庭に個別に集荷、配達が出来るのではないか?」これが宅急便のヒントだったそうです。

当時は小さな荷物はユーザーが自分で持ち込む必要があり、受け取りもユーザーが出向かなければいけませんでした。

また”小口の仕事を沢山やるより、大口仕事をやった方が儲かる”、という一般的な考え方に染らず “小口の方が単価は高い” という所に目を向け、ではそれをどうやれば実現出来るのか?を考え続けた結果が現在のクロネコヤマトの成功に繋がっているんだと思います。

世の中には多くのサービスがあります。先人が切り拓いて来た様々なサービス(需要)のお陰で、現在の多くの仕事が成り立っています。

写真の世界で言えば、結婚式を撮影するというサービスや、学校風景を撮影し、卒業時にアルバムを販売するサービス、成人式に振り袖を着て写真を撮る、七五三に着物を着て撮影する、など。

今では当たり前になった様なこれらのイベント、サービスも先人が創った需要で、そこに仕事が生まれています。

それらは余りにも日常生活にハマっている為、もうずっと前からあったかの様な様相を呈していますが、そのどれもが100年も経っていないサービスで、最初は誰かが一人で始めたサービスが急速に拡大し、多くの需要と仕事を生み出しています。

その様な仕事は、一々説明をしなくてもお客様はサービスの内容を知っていますので手間が掛かりません。やったとしても差別化をしたりポジションを変えるくらいで大丈夫です。

しかし、だからこそ競争相手が多く、熾烈を争う市場になってしまう訳です。 


弊社は現在、世界で唯一のキヤノン専門、プロカメラマン専門のメンテナンス会社です。カメラやレンズを修理する仕事、という面ではそれ程珍しくもなく一般的ですが、プロカメラマン向けに「メンテナンス」という考え方を生んだ意味ではオンリーワンの存在となっています。競合はいません。

結婚式や学校写真、成人式の写真撮影という仕事を生み出した先人と同じく、「プロカメラマン専門のメンテナンス」という仕事を生み出したと思っています。

それを生み出したキッカケや過程はこちらのメルマガで書かせていただいてきましたが、それを生むには、常に今既にあるサービスの”売り手主導”の不自由さに「なぜだろう?」という一般ユーザーの目線で疑問を持ち、そこに商売のヒントを得ようと「常に考える」ことが必要なのだと思います。

それこそ、起きてても寝てても考えるくらいの「思考のスタミナ」が無いと新しい仕事は生まれて来ないと思います。

誰しもがこれからの商売に不安を抱えていますが、コンサルタントに助けて貰うのは、まず自分でしっかり考えて、これじゃないかな?という道筋が見えてからです。自分の仕事のことを一番知っているのは自分ですし、そもそもそうで無ければいけません。

「常に考える。なぜだろう?から仕事は始まる」
この言葉に付け加えるとすれば、最初に「自分で」だと思っています。


早いものでこの連載も次回で最終回になります。
最終回は、零細企業のこれからの会社経営について書かせていただきます。
最後まで宜しくお願い申し上げます。


※ラボネットワークメールマガジン2021年6月号の記事を再掲

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