力相応一番化 自社の長所:井口章氏 #4

お世話になっております。船井総研井口です。

今年は7月からの猛暑の影響を受けた方は多いのではないでしょうか。夏にお客様が動かなかった分、秋になり予約枠が足りなくなっているということはないですか。

例年、それほどの集客は見込めない七五三後撮りですが、今年は、七五三後撮りもしっかり告知しておいて良いと思います。11月に撮影出来なかったお客様、混み合う時期をあえて避けられるお客様など、12月、年明けでもご来店いただけるようにアピールしておきましょう。


さて、このメルマガを担当させていただき、過去3回は「時流適応」というテーマで次の時流に向けたことを書かせていただきました。後半の3回では、経営という面も取り上げていきたいと考えています。今回は、船井流経営法の言葉でもある「力相応一番化」をキーワードに写真館経営について考えたいと思います。

私は船井総研に中途入社し約20年になりますが、この期間、ほぼ写真館様のご支援に携わっています。お付き合いさせていただく規模も、ご家族経営の写真館様から地域一番店クラス、多店舗展開している写真館様とさまざまです。また、以前、ラボネットワーク様でも講演させていただきましたが、各地域の写真館協会様、業界団体様などでも講演させていただいています。

ところで、ご支援先様の場合は初回訪問時、講演の場合には聴講者の方から、「うちのお店には長所がなくてね・・・」というお話を聞くことがあります。

そんな時、必ずお答えするのは、「長所がないお店はないと思いますよ」ということです。なぜなら、写真館に来られるお客様は、何かしらの理由があって、数ある写真館の中から自社を選択してきてくださっているのですから「長所がない」ということはないですね、ということです。

しかし、「うちのお店には長所がなくてね・・・」とおっしゃる気持ちも理解できます。これは、私の前職であるコンビニエンスストアでの店長経験から、毎日、いつも同じお店にいて、且つ近隣の同業者は、なかなか見る機会がない、となると、どんどん自店の長所も当たり前になり、長所として認識できなくなってしまうからです。

ご支援の場合には、個別に写真館様にお伺いさせていただくので、最初は、ひたすらお話をお聞かせいただきます。それは、写真館に限らず、ほとんど経営者は、日々何かを考え、また何かに悩まれているからです。そして、そのお話の中に長所がたくさん出てくるのです。講演の場合には、「お客様のお褒めの声や自社を選んでいるだろうと思われること、自社でやっていることをとにかく箇条書きしてください」とお伝えします。

このように、数ある写真館の中から自社を選択してくださったと思われる長所ですが、圧倒的に他社より秀でていることもあれば、長所ではあるけど圧倒的ではないかもしれないこともあることと思います。

これらを「自社は出来ることだが他社に出来ないこと」、「自社も出来ているが他社も出来ること」に整理します。前者は秀でていることなので、そのままお客様に伝わるように整理しアピールします。後者は、自社ならではの表現(家族経営で親しみやすいのか、女性スタッフのみの運営なのか等)で長所としてアピールします。これが、「力相応一番化」ということです。自社の力(社内体制、企業規模など)に応じて、長所を一番化させることです。

どこにもなくて自社のみの一番ではありません。自社ならではの一番にするのです。そして伝えるのです。


※ラボネットワークメールマガジン2018年11月号の記事を再掲

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