時代は〇〇消費!?:青木 水理氏 #2

前回の投稿より1 ヶ月
新型コロナウイルス騒動が大変なことになっていますね。
いま、松山へ出張に向かう飛行機の中で原稿を書いていますが、2週間前に搭乗した時よりも事態はさらに深刻化し、機内はガラガラでドリンクサービスや機内誌もありません。


フリーランスの方を始め、休校要請などで働く人たちほとんどが何かしらの打撃を受けているかと思います。
カメラマンは外での出張撮影需要が高まっているとは聞きますが…
うちの会社もイベントの下請けが主な事業ですので、今月は全て中止、来月以降も新規問い合わせがぱったり消えて、見通しが立たない状況です。
それでもお給料や家賃は発生しますので、経営者の皆さんも同じ状況だと思いますが、なんとか、踏ん張りたいところですね。

悪いことばかりではなく、これを機にテレワークや時差出勤などにシフトしたり、講義のオンライン化が進んだりと日本全国で働き方改革が大きく前進したと思います。
時間をより効率的に使うことができるようになったり、全国どこでもセミナーが受けられるようになったなど、良いこともたくさんあります。


私も、これを機に、今まで構想があっても着手出来ていなかった小学生向けのおひるねアートやオンライン勉強会などを始めてみました。
テレワークやオンライン化はそもそも子育てママが多い会社なので、すでにデフォルトでしたが、さらに出来るところはどんどんオンライン化しています。
学校休校でたくさんのお子さんやママがおうちにいる=「おうちの中でできるのがおひるねアート」という原点を広めるチャンスだ、と考えて、たくさんのママやお子さんの笑顔のためにいま何が出来るかを粛々と実行しています。

いずれにせよ、ネガティブな気持ちでいても何も始まりませんので、無理やりにでも動き続け、動き続ける中で何とか打開策を見つけながら、この騒動が終息した後、すぐに回復できるように種まきをしたり準備を進めていくのが経営者の私たちにできる最善なのかなと思います。


法人を立ち上げた時に「トップの器が会社の器だ」と教わりました。
経営にリスクはつきものです。
会社や従業員を守るためには何があっても常に笑顔で、ピンチはチャンス!と笑い飛ばせるくらいの気丈さが必要ですね。

もうひとつ、この時期は東日本大震災から丸9 年が経ち、いまいちど家族の絆や自分の大事な事を見つめなおす機会が訪れました。
時代をさかのぼると、東日本大震災以前の日本は「勝ち組・負け組」「モノ消費」の時代でした。
より多くのものを得ることが幸せという時代でした。
震災以降は、いくらものを持っていても一瞬で消えてしまう事実に人々が気が付き、自分が本当に大事にしているものは何なのか?ということにフォーカスしていった時代です。
モノ消費から体験・コト消費…経験や思い出にお金を払うようになり、何に価値を見出すか?
ということに大きな変化が生まれました。
そして今、時代はトキ消費、エモ消費だと言われています。
これは何かというと、コト消費で得られる感情
「心が動くこと」「言語化できないが満たされるもの」に対してお金を払うという価値観です。
誰かを応援したい、誰かの役に立っていると思う感情(アイドル商法やクラウドファンディングなど)
自分がいることで成り立つという社会的な役割を満たすもの(オンラインサロンなど)自分もそこに参加している、それを育て、一緒に作っているという精神的な充足感を人々は必要とするようになりました。


「誰もが結婚し家庭を持つ」
ことが当たり前だと言われていた時代から大きく変化し、多様化が進んでいるからこそ、人は自分が確かにそこにいる証として、ゆるやかに大きなつながりを求めるのかもしれません。

少々話がそれましたが、言いたいことは現代の日本人は「自分の感情が動くものに対してお金を払う」という消費傾向にあるということです。
販売者の持つ技術や経験値、実績以外に「その人がどんな人生を歩み、それを売っているのか」その人の持つストーリーに強く惹かれます。
共感し、応援したいと思うものにお金を払います。

カメラマンで言うと
「この人にうちの子の成⾧をずっと撮ってもらいたい」
「この人と家族の軌跡を一緒に作っていきたい」
というような、技術ではなくその人のもつ人間的な魅力に惹かれるのです。
すでに、多くのカメラマンの方はご存知かと思います。
昨年の12 月に予想を大きく下回る出生数をたたき出した、少子化が止まらない日本では、これからさき子供が爆発的に増えることは難しいでしょう。
だからこそ、繋がりをキーワードにこれからの販売戦略を組み立てていく事がよりいっそう強く求められます。

ママフォトグラファーさんの人気が高まっているのはエモ消費の時代にマッチしているからだとも言えます。
子どもの写真でいえば「同じママであること」「身近なロールモデルであること」
その事実だけで有利なのです。

それでも、生き残っていくには更なる付加価値が必要です。
次回はそのお話をしていきたいと思います。


※ラボネットワークメールマガジン2020年3月号の記事を再掲

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