集客をする前に必要なこと: 青木 水理氏 #6

2020年7月号 青木水理氏連載 第6回(最終回) 『集客をする前に必要なこと』

こちらのメルマガも最後の回となりました。
もう覚えていないかもしれませんが、第2回目でお話した内容はエモ消費について、
それから、ママフォトグラファーという職業はこれからの時代に有利というお話でした。
そしてさらに必要なものはフォトグラファーの付加価値について。
そのお話は次回で、と書いておりましたが、コロナで止まってしまっていたので、
最後の回はそのお話をしていこうと思います。

ママフォトグラファーがお客さまに選ばれる理由とは何でしょうか?
(2回目のメルマガをぜひ読み返してみてください!)
「同じママであること」
「身近なロールモデルであること」
この2点は【共感】という部分では大きく有利です。
しかし、ママじゃなくてもママに絶大な人気を誇るフォトグラファーさんはたくさんいます。
その違いとは何でしょうか?

その人がもつ圧倒的な世界観や、雰囲気。この人の世界に我が子を入れたい!
という憧れは理由としてひとつ挙げられますね。
その他にも、その人が歩んできた人生や経験、その物語に惹かれて、同じ時間を共有したいと思うこともあるかもしれません。
どの理由にも共通して言えることは、ぶれない自分軸を持っている人が選ばれるということです。

自分軸というのは、会社で言うと
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)
のようなものだと考えてもらえればと思います。
ミッションとは、使命です。
ビジョンは、それによって得られる理想の未来。
バリューは、何を大事にしながらそれをするのか。行動指針みたいなものですね。
そこを徹底的に深掘りし、「私はここを目指している」としっかり公言出来なければ
目先の集客テクニックやノウハウ、撮影技術に飛びついてしまい
「結局何がしたいんだっけ?」と自分自身が迷っていきます。
迷いは必ずお客さまに伝わり、この人に任せて大丈夫かな?と不安が不信に変わります。
自分軸は自分の信用を上げ、何よりも自分が自分にコミットできます。

そして自分軸があれば取捨選択ができます。
「これはするけど、これはしない」
が明確にわかるので、自分のすべきことに集中できるのです。

因みに自社(おひるねアート協会)のMVVは
ミッション…思い出写真作りのお手伝い
ビジョン…おひるねアートで世界平和
バリュー…もっと多くの人に、もっと早くこの楽しさを
です。このMVVをしっかり作りこむのに大体5年かかりました。
(詳しくはぜひこちらをごらんください)

MVVは完成したら積極的に発信していきます。
「これが自社が掲げる会社の存在理由・価値です」
という意思表示です。
同じ思いを持った従業員、会社と一緒にお仕事をしたいし
そして同じ思いを持ったお客さまにこのコンテンツを届けたいと思っています。
MVVはお客さまに対しても取捨選択ができます。
自社のMVVに合わないお客さまをより分けることができるのです。

私は協会の中で、7年間で600名弱の起業したいママを育ててきました。
「知りたいことはなんですか?」という質問の9割が「集客」です。
巷でも集客方法についてのノウハウはあちこちに転がっています。
ただ、ほぼすべての方がその段階ではありません。
人を集めてもその後何を伝えるかが抜けているので、集まったお客さまに自分のやりたいことが伝えられず
・集まったはいいけどその後に繋がらない(リピートされない)
・体験価格では集まるけど体験目当てにされている気がする
という現象が頻発します。
はっきり言うと上記の方はあなたのお客さまではありません。
集めれば集めるほど労力だけが割かれて大した収入にならず、辞めていく起業ママさんも何人も見てきました。
そして決まって「好きを仕事になんてやっぱり無理ですね」というのです。
それは、本当に好きな事を仕事にしている人に失礼です。
諦める前に、ぜひ起業するときは自分軸を作ることをお勧めします。
(というか、必須です)
自分軸を作っていくうちに
「本当はこの仕事そんなに好きじゃないな」
「私のやりたい事はこれだな」
と気づくかもしれないし
「やっぱりこの仕事をどうしてもお客さまに伝えたい!」
と決意が湧くかもしれません。

大事なのは、自分軸は本当に心からの自分の想いなのか?ということです。
ちゃんと自己一致しているかどうかはとても大切です。
そして定期的に見直すことをおすすめします。
時代の流れも自分の想いも止まることはありません。
我が子の成長とともに変わる想いもあるかと思います。
それでもゆるぎない想いがあったなら、それはあなたの生きる目的が定まったのかもしれません。
何を軸として生きるのかは自分が生きていく上での心の支えとなります。

私は仕事ではなく自分の人生のMVVも作っていますが、その想いの延長に今の仕事がつながります。
女性は特に、結果よりプロセスを大事にしますので、仕事とプライベートを割り切るより、プライベートと仕事のMVVが近ければ近いほど、自分が納得し、しっくりくる人生が送れるはずです。

「そうは言っても子供や家族のことでいっぱいいっぱいで、目標がない人生なんです」
と嘆く必要はありません。
目標がない人生=目の前に起こるいろんなことを味わう人生だと私は思います。
そして自分軸はいきなりパッと決まるものではありません。
長い時間をかけて少しずつ構築していくものです。

協会では、講師資格を取っていただく前に最初の宿題を出します。
「なぜ、この仕事をしたいと思いましたか?」
「この仕事を通じて誰に何を伝えたいですか?」
ちゃんと独り立ちするまでにはもう少し深掘りしますが、最初はこの2つだけでも自分の仕事をする理由になるので十分です。
この答えがパッと出てこない方は、ぜひ答えを作ってみてください。

私もはじめはカメラの知識なんて全くない専業主婦でした。
起業し、自分の選択で自分の人生が決まることを身をもって実感していく中で
「自分が本当に望んでいる人生を送るには、【意思決定をすること】以外にない」
学びました。
「私はこれを選んだ」が多い人生ほど心豊かに生きられます。
その実感を持ったフォトグラファーさんが、初めて他者の人生にも大きく関わることができるのではないかと思います。

写真は、その家族の人生に関わるツールです。
その人の人生に残る写真を撮影できること、そして人の想いに触れ他者と関わることで自分自身もまた成長していくことが、仕事をしていく上で最大の喜びではないでしょうか。
誰かのために、そして自分のために、写真を撮り続けることができたなら、それは天職です。

最後になりましたが、全6回のメルマガを読んでくださりありがとうございました。
またどこかでお会いできるのを楽しみにしております。


※ラボネットワークメールマガジン2020年7月号の記事を再掲

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