保護者へのアンケートから見えてきた学校写真のニーズと売上向上のヒント

はじめに

この記事は、ラボネットワークのオンラインセミナー（2024年2月）で開催したプログラムの要点を記事化したものです。

より詳しい内容をご希望の方は、フォームよりお申込みいただき、アーカイブ動画をご視聴ください。

アンケート実施の背景

スクールフォトの販売は、保護者が撮影業者から写真を購入するBtoCビジネスですが、学校や販売サイトが介在するため、撮影業者が保護者の直接的な意見を聞く機会が限られています。
そこで、学校写真オンライン販売システムの『スナップスナップ』では、約1500名の保護者からの回答を得るアンケートを実施しました。
このアンケートを通じて、保護者が求める写真や、期待されるサービスについて深く理解することができました。

ここで取り上げる質問は以下の2点です。

全体として、保護者からの回答では「もっとイベントを撮影してほしい」「写真を販売してほしい」という意見が多く寄せられました。この結果を踏まえ、保護者のニーズに応じたイベント撮影を提案し、売上向上のヒントを探ります。

保護者のニーズの分析

保護者の方々がどのような学校行事などのスクール撮影に満足し、どのスクールイベントをもっと撮影してほしいのか、アンケート結果を学校種別ごとに見ていきます。

自由記入形式の回答のため、キーワードにまとめた図が以下になります。
回答に多かった言葉の文字サイズが大きくなっています。

幼稚園や保育園

「満足度が高かったイベント」の中で最も多かったのが運動会で、特にかけっこやリレーなどの競技に対する好意的な声が多かったです。
「撮ってほしいイベント」に関しては、日常のお昼ごはん時の様子や、子供たちが友達と遊んでいるシーンを撮影してほしいというリクエストも多く寄せられました。

小学校

こちらも運動会の重要性が強調され、日常の様子に対するニーズが見受けられました。

中学校

体育祭や修学旅行の満足度が高く、「撮ってほしいイベント」については、授業や日常の撮影に対する要望がありました。
以上のように、幼少期～学童期に分けた結果を見てきましたが、「保護者は子供の学校生活に興味を持ち、安心材料として写真を求める」という共通した傾向があるようです。
これらのニーズをしっかりと把握することで、より的確なサービス提供や売上向上が可能になると考えられます。

売上向上のための戦略

さて、売上を増やすには「イベント数の増加」と「イベント単価の向上」が重要です。

保護者のニーズに合ったイベントを撮影することで、イベント数を増やすことができます。
たとえば、幼稚園では運動会の予行や、発表会の予行は撮影されているでしょうか？
予行を撮影するメリットはたくさんあります。
運動会当日の天候が悪い際の保険になることや、保護者や兄弟など家族がいないため、背景を気にせずに撮影ができること、また本番と違う画角や近距離での撮影が可能になること、などがあげられます。

小学校では、すでに多く撮影されている1年生、6年生だけでなく、全学年のイベントを対象にすることで、売上の増加が期待できます。

中学校では、卒業式の撮影について、スナップスナップの販売実績を参照したところ、修学旅行の行事数を100%とした場合、卒業式の販売イベント数は22%しかありませんでした。
撮影が少ない理由として、卒業アルバムの制作を目的に撮影されているため、卒業式の写真販売の機会が少ないのかもしれません。しかし、販売単価は比較的高いというデータもあります。クラス数によっては2名以上のカメラマンを派遣できる可能性がありますし、卒業式が午前中で終わることが多く、時間効率も良いイベントと言えます。
卒業証書授与後のホームルームでの集合写真を提案することも効果的です。

日常の撮影を増やすために

イベント単価の向上には、日常の撮影や、イメージカットを増やすことをご提案します。
しかし撮影回数を増やすことは、施設側の抵抗もあるため、行事の前後に日常の様子を撮影し、カット数を増やすことが鍵となります。
事前に学校の先生方への交渉が必要ですので、年間スケジュールを組むタイミングで交渉してみてください。

保護者からもイメージカットを求める声も多く寄せられています。
たとえば、動物園なら動物だけのカットを撮影することや、卒業式では看板などの写真も購入されています。イメージカットを撮影することで、より良い売上につながる可能性があります。

日常の撮影は、特に子供たちの成長を記録する大切な機会であり、ふだん見ることのできない保護者にとって、学校での生活は非常に関心が高いです。
保護者の満足度を高めるだけでなく、撮影業者としての信頼性も向上にもつながります。

卒業アルバム用で撮影した写真の販売

卒業アルバム用に撮影した写真のうち、全体の2割から3割が実際にアルバムに使用されることが多いため、残りの写真をスナップスナップで販売することでさらなる売上が見込まれます。
保護者にとっても、卒業アルバム用の写真を、プリントやダウンロードデータとして購入することができるため、売上の期待効果は大きいです。

以上の内容を通じて、スクールフォトは保護者のニーズを理解し、より効果的な撮影戦略を立てることが重要であると考えます。

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