素材を生かす:株式会社デコルテ 木下 令氏 #5

「フォトグラファーは料理人である」

写真はカメラがあれば誰だって撮れる。フォトグラファーは誰にでもなれる。
そんな時代だからこそ、本物の「料理人」を目指していくべき。

こんにちは、早くも5回目、最終回まで残すところあと2回です。
飽きずにまた見に来てもらえる私は幸せ者でございます。
本当にありがとうございます。


「ナチュラルな笑顔ですらコントロールして、思った写真を確実に撮影する」

さて、今日皆様にあーだこーだお伝えしようと考えたのは、被写体の良さを生かした撮影をして欲しいというお話です。

私が生きている世界は、ウェディングというそれはそれは奇跡を体感しているお二人が被写体となる世界です。


見知らぬ場所に生まれ、いろんなきっかけでお互いが出会い、お付き合いを始め、そして将来を一緒に過ごす決断をされるというこの行程って、すごくないですか???


私がお問合せなどを頂いたとき、ファーストコンタクトでよくこのようなお話からさせて頂いておるわけです。

こんなことわざわざ考えることって普通の方はされないかもしれませんが、こういったお話をすると、確かに! と笑顔になられることもしばしば経験しています。

いや、心からそう思っているので、お客さまの人生に触れている感覚が心地よくて、それが今もカメラを離さない原動力なのかもしれません。

昔、あるお客さまに撮影した写真を見てもらっているときに、こんな感想をもらったことがあります。

「私の笑顔けっこうかわいいね!」

(今回使用している写真は参考写真です)


このお嫁さんが自分の笑顔の写真に対して客観的に放ったこの言葉に、大きな写真の価値を感じると同時に、私が気づいたことがありました。

きっとその笑顔は鏡を使ったりしても自分では見ることができなかった、本当の無邪気な笑顔だったんだろうと思うのですが、そういった笑顔って
「笑ってくださいー」とか、「笑顔でお願いしますー」とか、そういう空気では出てこないものじゃないかと感じたんです。

つまり、心の底から楽しめて、おもわず笑ってしまったときの表情だったということに気づいたということです。

「素材の味を生かす」

で、ここからなんですが、その表情を引き出すにも、これ、当然スキルが必要になってくるという話です。

相手はプロのモデルさんではなく、一般のお客さまです。
そんなお客さまに「笑顔で」と言っても上手く意図して笑えるわけがありません。
なんなら写真が苦手な方もいれば、いまいち乗り気じゃない方も少なくありません。

お客さまたちとはできるだけ会話をし、お二人の事を知り、限られた撮影時間の間にお二人との距離を詰め、笑わせにかかります。

文字ではなかなか伝えにくいのですが、その方法はお客さまにより異なりますし、きっかけになる話題もアプローチも変わります。

とにかく現場では、様々な経験から得た方法で、緊張感満載のお二人に対して、なるだけ短時間で本当の笑顔を見せてもらえるような空気感を作り出さなければなりません。

言い換えるとナチュラルな笑顔ですらコントロールして、思った写真を確実に撮影する 
ということです。

自然な表情で飾らないで笑っている写真て、とても強いポジティブなパワーを持っているように感じます。

別に目がキュって閉じていても、姿勢が良くなくても、とっても綺麗な瞬間として残るような気がします。

そして、新たな自分に出会えるという価値をも持っているとも思えるのです。

既に笑顔を撮影しているフォトグラファーさんも、よかったらもう一歩向こう側の笑顔を撮ってみてください。

その写真はとても素敵な気持ちにさせてくれると思います。



テレビや雑誌などの世界でしか知識はありませんが、いわゆる一流の料理人は、素材にこだわり、その素材を生かした味付けや料理を作り出す。

これ、私たちのように記念写真を撮影するフォトグラファーも同じ考え方をすべきだと思います。

実は飾りを全くつけない自由にしているお二人にこそ、本当に写真に残してあげたい瞬間があるものです。

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