アナログ技術と挑戦へのチャンスで実現したフルデジタル化:川原敏之氏#2

アナログプロラボの思い出

プロ用プリンターの開発

営業写真スタジオのカラー化は昭和47年(1972)頃から本格化しました。
当時入手可能プロ用カラーネガは富士フイルム/サクラカラー(後のコニカ)とコダック製品でした。
日本アグフア・ゲバルトもありましたが国内で現像する事が難しく、普及には至りませんでした。
30年近くアナログプロ処理に従事しましたが、持ち前の機械好き故に富士フイルムのみならず、コニカ、Durst、パコ、トヨテックなど多くの機器メーカーとプロ用プリンター開発に携わり、自身の成長期でした。

アナログカラー写真の表現色再現に向けて

高度な化学反応を駆使した銀塩写真処理で根幹となるのは、発色現像処理管理技術です。
機器と同時に現像処理化学を徹底的に研究し、自ら写真薬品を調合し現像処方を作りました。
その後に繋がるデジタル時代に向け『アナログカラー写真の素晴らしい階調表現色再現性』を身を持って体得した事が、デジタル画像処理を研究する上で大きな財産になっています。

アナログからデジタルへ

写真業界の流れ

LNWプロラボでデジタル写真研究と製品化を開始したのは1998年頃で、Photoshopは初めてICCプロファイルに準拠したVersion5.0でした。
とにかくフィルム撮影とデジタルカメラ撮影プリント品質を遜色のないものにする技術研究、実証の繰り返しでした。
業界内では『デジタルはフィルム品質に遠く及ばない』と言うのが通説でしたが、初期段階でコダック DCSやリーフ、そしてフェーズワン等デジタルバックで条件が合致した場合の圧倒的解像感などに接し、『必ず撮影もフルデジタル化される』と確信していました。

フルデジタル化のイメージ

ラボネットワーク、フルデジタル化へ

デジタルネガ作成(LVT/Light JET)や直接露光(コダック LEDプリンター)など、会社は惜しみなく研究開発費を与えてくれました。
創業社長である北村正二氏は『世界から最高性能の機器を導入し君はそれに見合った技術を身につけなさい』と指導して下さいました。
移行期ですから、ネガ撮影スキャニング出力も一般化していたのですが、私は『ネガスキャンは所詮複写』と考えていたのであくまで撮影~出力までフルデジタル処理にこだわりました。
現在も『カラーラボに対応する高度なデジタルジャッジ教本や動画』は殆ど存在しません。
そのため、技術開発着手以来すべてが自社独自開発の連続ですが、これは非常に興味深く楽しい仕事です。
この試行錯誤の経験は日進月歩のデジタル写真技術習得に大いに役立ちました。
プロ用ネガポジプリントは、富士フイルムがプロ用カラーペーパーの供給を停止した時点で面露光方式によるサービスを停止しました。
他社ラボではアマチュア用カラーペーパーを流用するなどしてその後もサービス継続されました。
しかし、「カラーネガフィルムはカラーペーパーとの組み合わせで性能を発揮できるものなので、なだらかなグラデーションが再現できない」と判断し、ラボネットワークはフルデジタル化を決断しました。

ラボネットワークのプロフェッショナルプリントについて

次回は8月下旬公開予定です

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